出身地じゃないところを拠点にして住んでみる

時々、上京指南というカテゴリで投稿します。

今日は「出身地じゃないところを拠点にして住んでみる」

※2020/05/16 一部を読みやすく書き換えました。

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あなたの拠点はどこですか

私は北海道出身で、今は東京在住です。

つまり地元を離れて暮らしていて、拠点が東京にあるわけですが、最近同級生なんかを見ると「拠点が地元から変わったことがない」という人(以下、便宜上「地元ラバーズ」と呼びます)と、そうでない人に二分されることに気づいたんです。

……というとちょっとわかりづらいのですが、例えば。

① 高校卒業まで実家のある街に住んでいた。大学も市内か、実家から通える範囲だった。就職先も、実家にすぐ帰れる範囲。高校までの知り合いも、時間さえ合わせればすぐ会える環境。

② 高校卒業まで実家のある街に住んでいた。大学は気軽に実家に帰れない立地の所に進学したけど、やっぱり地元の居心地が良くて、就職先は実家にすぐ帰れる範囲で見つけた。

③ 高校卒業までに転校を繰り返して、いろんな街に住んだことがある。今まで住んだことのある街の大学に進学して、卒後は実家にすぐ帰れる範囲に就職した。

地元ラバーズ」はこういう環境の方を想定しています。
①は一番シンプルなパターン。
②は大学で外の街に住んだけど、出身地から出張している感覚で、結局拠点は生まれ育った街から変わらず、戻ってきたパターン。
③も②に類似していて、精神的な拠点は親が住んでいる街にある、というパターン。

拠点を変えることの難しさ

高校卒業後が1回目の岐路

高校卒業後って、多くの人にとってまず人生1回目の「拠点変え」のチャンスだと思うんです。

就職や進学先をどこにするか。
家から通える範囲か、明日思い立ったら電車ですぐに帰れる範囲か、飛行機に乗らないと帰れない範囲か。
はたまた海外に出るか。

筆者の場合

私の高校の同級生は、噂で聞いた範囲で2人、海外の大学に進学したみたいです。
当時の私は実家から通える範囲の予備校で浪人中、その話を聞いたときには「言葉の通じない街でひとり暮らし!なんて精神的に大人なんだろう!」と自分の精神年齢の低さを再認識したものでした。

それ以外にも、結構道外に出る人が(注:北海道民は県外ではなく道外といいます)多くて、あの人もこの人も東京に出るエネルギーがあってすごいなあ、チャレンジャーだなあと、まるでスキージャンプの試合でも見るように、自分には関係ない世界の話として見ていたわけです。

そもそも、その頃はまだ東京の街を歩いたことがありませんでした。ディズニーランドにしか行ったことがなく、せいぜいその行き帰りに羽田空港を使ったくらい。東京のことは何も知らなかったといっても過言ではないでしょう。

新宿が山手線のどの辺にあるかすら知らず、雑誌でモデルさんが「渋谷から原宿までの移動なら、運動がてら歩くのが当たり前!」と言っていても、その距離感がわかりませんでした。東京、怖そう。迷子になりそう。なんでも高そう。札幌で結構おしゃれなものとかおいしいもの買えるし、道民は札幌ぐらいでいいよ。という、ネガティブな感情しか持っていなかったのです。
今ならそんなことないよ!と一蹴しますが笑

とにかく地方出身者にとって、東京に引っ越して暮らすということは、お金と時間が許したとしても、結構エネルギーがいることなのではないでしょうか。

一生、地元が拠点のままですか

私が拠点を移すことを決めた時期

(自分の経験論が続いてすみません)

で、そうこうして家から通える範囲の大学に進学し、あまりに実習が大変で(医療系だったので)、往復3時間の通学時間を削りたくなり、3年生から大学の近くに部屋を借り、実家だけ週末に帰る生活になりました。冒頭②の大学時代みたいな感じですね。

初めての1人暮らしはなかなか楽しく、夜中にテレビを見ながら寝落ちしても怒られないし、料理も上達したし、排水溝は掃除しないとすぐ汚れるということも身をもって実感したし、ひとりで家の中のことをまわす練習にとてもいい時間でした。
外に出れば地元の街にはないお店やスーパーがあって、違う品揃えでおいしいものを見つけたり、逆にいつも当たり前に売っていたものがどこにもおいていなかったりして、そのギャップが面白く感じました。なにより、通学時間が10分の1くらいになったのが体力的に断然楽でした。

そんなこんなで4年間ひとり暮らしをしたわけですが、このときすでに漠然と、この先実家のある街に戻って暮らそうとは考えないだろうと感じていました。もっと違う街に住んでみたいという考えの方が大きかったのです。

たぶん、②のパターンの地元ラバーズになるか、そうでないかは、この考えが浮かぶかどうかというところが岐点になるのではと思います。

まあ、私の場合は地元の居心地があまりよくない(小さな街なので、良くも悪くもステレオタイプでないと居づらいのです)ということもあるのですが。

知らない街で暮らすと、人生においてどんなメリットがあるか

初めて東京を見て歩いた日

さっきのひとり暮らし中に、母と二人で東京に行く機会がありました。母はあるイベントを見にいきたいと言っていて、わたしはそちらにはあまり興味がなかったので、イベントの時間中、ひとりで東京を歩くことにしたのです。

地下鉄と徒歩で移動しました。
赤坂見附のホテルから、タモリ倶楽部で特集されていた九段下ビルを見にいこうとしたらもう解体が始まっていて、全貌を見ることは叶わずがっかり。
凹みながら日暮里の夕焼けだんだんにねこを見に行き(なんとここで偶然、いつもネットで見ていた戦うTシャツ屋 伊藤製作所の実店舗を見つけて大興奮)、
新宿高野本店でパフェを食べ(北海道には絶対にないさっぱり味で、初めてパフェというものをおいしく感じました)、それでも時間を余して早めにホテルに戻りました。

(改めて書いてみると、すでにこの頃から、見に行く場所がなんとも趣味全開)

この時、東京はちょっと移動するだけで全然雰囲気の違う街があって、しかもきらきらぴかぴかのよくテレビに出るところばかりじゃなくて、普通に普通の人が暮らしている日常生活の街がたくさんあって、それでいてちょっと足を伸ばせばすぐに新宿でおいしいものが食べられることを知りました。
そして、逆に東京の方が、昭和っぽい業種や施設がたくさん残っていることにも気づきました。
人口の絶対数が多いために、実力のあるお店ならばお客さんがちゃんと来るから、無理に新しい見た目やシステムに変えていかなくても、商売として成り立つわけですね。
そこが地方とは違うんだと実感して、なんて面白い街だろうと思ったわけです。

拠点を変えるメリット → 知っている街が増えていく、違う感性の人と出会える、新しい街になじむことがうまくなる

たぶん、拠点を変えるメリットはそこにあります。
自分の今までの感覚をいい意味で裏切る街に住むと、自分のキャパとか経験が広がっていくということです。

聞いたこともないような職業で、生活している人がいる。見たこともないような業種のお店がたくさんある。個性的な格好をしていても、もっと個性的な人がたくさんいるから、揶揄されない。
地元では「変な趣味~」と言われていたようなことも「面白いね!それ何?」といって聞いてくれる人がたくさんいる。もっと変な趣味を突き詰めている人がたくさんいる。地元では絶対に得られなかった感覚です。

そして、一度新しい街を自分のものにする(=ある程度自由に歩ける、勝手のわかる街にする)経験をすれば、次の新しい街は1回目よりも少し楽に自分のものにできると思います。

つまり、新しい街になじむことに少しずつ慣れていく

これ大事だと思うんです。少なくとも私は、人生において身につけたほうがいいと思っています。

たとえば、住んでいるところに地震などが起きて、住めなくなってしまった場合。知っている街が他にあれば、当面でもそこに引っ越して暮らそうか、という選択肢が出てきやすいのでは?
もし1箇所にしか住んだことがなかったら、その土地から離れるなんて考えはまったく浮かばないかもしれません。もし強制的に引っ越すことにでもなれば、知らない人ばかりの土地に行って、知らない人に囲まれて暮らす経験を、その時点で初めてするわけです。
元気なときならまだしも、精神的にダメージのあるときに、しかも自分の意思でなく引っ越したときに、新しい街になじむ元気があるとは限りません。

災害はあまり起きてほしくないことですが。

知らない街で暮らすと知らないことを知れるので、楽しい

災害云々を抜きにして考えても、せっかく一度きりの人生だから、いろんな土地でいろんな慣習になじんで暮らしてみたい。旅行でちょっと覗くだけではなくて、住まなければわからないような、日常に潜む違いを実感してみたいと私は思っています。

東京は、その第一歩におすすめです。よそ者を排除する風潮が、他の街より薄いから。

おわり。

 

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