クライアントとのトラブル 3つの実例と対策

私事ではございますが、ここのところクラウドソーシングでスムーズに進まない案件が多く、凹み気味でした。

でもやっぱり文字起こしは楽しいので、細く長く続けていきたい!

そのためには、あまり良くない経験でも経験できたことを糧にしようと思いまして。自分の備忘録も兼ねて、記事にしたいと思います。

【2020/7 一部リライトしました。】

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ケース1 締め切りが迫っているのに、音源受け渡しと仮払いをしてくれないクライアント

実例

クライアント様は登録が2カ月前であるものの、発注は初めての様子。したがって過去の評価は参考にできなかった。

X日、5時間の音源・ケバ取りでの契約締結。X+8日がクライアント様の希望納期。契約詳細にお急ぎとの文言あり。こちらはX+3日までに音源を受け取った場合に希望納期に間に合わせられる旨を書いて応募して選定されたため、クライアント様側もその点は理解しているものと思っていた。

X+1日、急ぎの割にまだ音源受け渡しも仮払いもなされないため、「いつごろ音源いただけますか?X+3日までにいただけないと納期に間に合わせられません」と聞くと、「外部ストレージでお送りしますね!」とかみ合わないお返事。

(この間、クライアント様はログインした形跡なし)

X+4日、謎の返事以降音源受け渡しも仮払いもなされないため、「すでに希望納期に間に合わせられる期限がすぎた」「契約締結から作業時間を確保して待っていたし、他の案件との兼ね合いもあるので、納期を後ろにはずらせない」「したがって不本意ながらキャンセルしたい」旨をお伝えする。すると返信にて「出張でばたばたしてました!キャンセルわかりました!ありがとうございます!」となぜかお礼を言われる笑。

X+5日、キャンセル成立。

対策

twitterに書いたこととかぶりますが、急ぎと書いて発注するクライアント様に限って、急ぎのしわ寄せをこちらによこす気がします。つまり、律速段階は結局クライアント側にあることがよくある気がします。
結果的にキャンセルまで至ってしまったのは、今のところこの1件だけなのですが。

対策としては、

・過去の評価がない、または評価で問題が垣間見える、急ぎのクライアント様には応募しない

・選定された後、最初にコンタクトを取ったときに「いつ音源をいただけますか」と聞いてみる

といったところでしょうか…ほとんどのクライアントさんは音源をすぐ渡してくれることが多いですし、あまりハナから疑ってかかりたくないので、難しいところですが。

ケース2 〈定額の継続案件〉60分程度の音源という契約なのに、回を重ねるごとに90分近い音源を送ってくるようになったクライアント

実例

60分程度の研修動画をケバ取りで書き起こす案件。希望すれば継続できるとのことだったので、希望した。毎週3本ずつ送られてきて、その時点から48時間ごとに1本ずつ納品していた。

60分に対していくら、という固定報酬だが、当初より60分を超過した(65分~70分程度)音源が送られてきていた。しかし継続案件ということも鑑みて、こちらとしては70分くらいまでの音源ならば引き受けることとし、2回継続した。

(60分の予定で研修枠を取っていたらしいのだが、実際には延長することが多かったものと思われる。)

2回継続時点で、他の案件との兼ね合いで週に3本の書き起こしがやや割に合わない感覚になったため、3本の場合は1本当たり25%値上げしてくださいと交渉し、クライアント様側が了承した。

3回目から報酬が上がったわけだが、1本当たり75~90分の音源ばかりが届くようになった。確かに書き起こしてみると無音部分が多く、文字数にすると60分相当のものもあったが、90分びっちりと関西弁でまくしたてている音源は、さすがに予定の作業時間を大幅に超過し、かなり苦労した。

4回目まで同様の条件で引き受けた時点で、「60分という当初の認識で作業計画を立てているため、今後は2本で130分、3本で210分まではこれまでの定額で受けるが、それを超えた場合は分単価計算にするのはどうか。その場合も合計220分までにしてほしい」と申し出た。これに対してもクライアントは了承した。

が、その後2週間依頼が途切れ、今に至る。

対策

分単価ではない(=音源1本あたり単価)案件の場合には、1本の長さが最大何分までになる可能性があるのかを事前に確認すべきだと思いました。または、●分までなら同額で引き受けるが、それを超えた分は別料金にする約束を最初からしておくというのも手だと思います。

しかしひとつ問題になるのは、最初からこのような条件を提示すると、面倒くさいワーカーだと思われて敬遠される可能性があるということです。

ただし、当座の収入に困らなければ、こちらの事情を鑑みて納得してくれるクライアント様とだけお付き合いし、自分を安売りしないのが、長い目で見ればよいのかもしれません。

または某社のように完成後の文字数カウントで料金を決めたいところですが、成果報酬タイプの発注はクラウドソーシングでは禁止だったと思うので、直受けでもしない限り難しいところです。

 

ケース3 作業時間を見誤り、締め切りを延長してもらった

実例

X日16時に契約締結、X+1日18時納品の約束。60分の音源を書き言葉の整文にて納品。見出しとタイムコード付与、詳細な仕様書(数十個の単語の表記が指定されている)あり。報酬はかなり高め。

事前に仕様書と起こしサンプルが送られてきて、この作業内容ですができますか?とまで聞いてくださったのに、この無様なことになってしまった。

そこから最大限の作業時間を費やして作業したが、言葉がかなりカジュアル……というか居酒屋の学生の飲み会みたいな言葉遣いであったため、これを書き言葉に直すのが至難の業。予定の作業時間+3時間捻出ではまったく間に合わず、締め切り10分前に間に合わない旨をご連絡。

すると「20時までで良いので、仕様書にきっちり合ったものをお送りください」とのあたたかくも恥ずかしいお返事をいただく。

そこからまた必死に作業し、何度も見直し、完璧!と思い19時半頃納品する。

すぐに検収開始のご連絡をいただく。修正点があればご連絡くださいと書き添える。

……その後、22時ごろ、あそこまでフランクな会話だと、整文はかなり難しいな……と思いながら、さっき送った原稿を見直すと、間違いがでるわでるわ、見出しと内容の齟齬に加え、誤字脱字を10個も見つけてしまう。さっきの自分は何を見直していたのだろう。愕然とする。

もう締め切りは過ぎているし、向こうも検収しはじめるとは言っているけれども、気づいた以上は直したものを送らずにはいられず「差し出がましいかと存じますが……」「検収が複雑になりそうでしたら廃棄してください」と書き添えて、再度0時頃に送信させていただいた。

翌日、朝一で「ありがとうございました!」との一言とともに、満点評価をいただいたが……このあっさりとしたコメントの場合、向こうは納得していないような、もう二度と依頼は来ない気が、毎度する。何とも後味の悪い、自分の至らなさを痛感する案件であった。

対策

今回の非はすべて私にあり、クライアント様には本当に申し訳ないことをしてしまいました。はっきり言って、文字起こしのような仕事において、締め切りを守ることは内容云々よりも大事な、大前提で最低限であることだと思っていて……本当に情けない。

事前にこの内容で作業できますか?と聞かれた時点で、はじめて引き受けるクライアント様であることと納期がかなりタイトであることをきちんと加味して、引き受けるか否かを決めるべきであったと思います。

締め切りに間に合わないと悟ってからは、自分がその時点でできる最大限の配慮をクライアント様にしたつもりで、何度思い返してもこれに関しては後悔はありませんが……そもそも、このような事態を二度と招かないことが肝要なのであって、なにも褒められた要素ではないですし。

そして、何時間も(5分くらいの小休憩を数回挟んだとしても)続けて作業していると、見直しをしたつもりでも見落としがかなり発生するという悲しい現実を知りました。
疲れるんですね……やっぱり。

いつものように納期より8時間前にはいったん完成させて、少し寝かせてからもう一度見直すぐらいの余裕を設けるべきでした。というか、この納期設定ではたぶん物理的に無理です。
今後同条件では引き受けないようにするしかなさそうです。

文字起こし人生の中で締め切りに間に合わないのがこのただ一度であるように、反省と改善を続けたいと思います。

おわり。

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