胆振東部地震から4日後に北海道に帰省した話

9月6日の胆振(いぶり)東部地震の4日後(10日)から、4泊5日で実家に帰省しました。
地震とは関係なく、何カ月も前から予定していたものです。
(実家のインターネット設定のため)

関東でもいろいろと報道されていますが、実際に地震直後に帰省して体験したことと報道内容にはかなり乖離があるように感じたので、気づいたことを書いてみます。

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実家は43時間停電した

道央圏(石狩・空知・後志・胆振・日高地方を総称してこう呼ばれます)の海辺の某市にある実家ですが、9月6日の午前3時過ぎの地震発生直後から停電。
復旧したのが7日金曜の22時過ぎ。

オール電化(ほくでんが推しているので、北海道の比較的新しい家に多いです)なので、IH調理器が使えない。給湯器も動かない。

インスタント食品の買い置きはたくさんあったのですが、お湯がなくて食べられなかったと言っていました。
キャンプなどしない家なので、カセットコンロのような電気なしで使える熱源もなく。
一応、20年以上前にラムしゃぶを卓上でやっていた時期のカセットコンロは発見したらしいですが、ガスボンベも当時物しかなく、逆に危ないと思って使わなかったそうです(たぶん正しい)。

断水にならず、水の濁りもなかったのが幸いでした。
地盤はかなり固い地域なので、家の傾きや破損もなし。
筆者の部屋の本棚のものが少し落ちていた程度。

実家の辺りでこれぐらい大きな地震というと、1993年7月の北海道南西沖地震(というか奥尻島の)以来ですが、その時は何らライフライン・物流に問題がなかったので、日常生活に差し支えるような地震は今回が初めてだと両親が言っていました。
その次の災害というと2000年の有珠山噴火で函館~札幌の鉄道輸送が函館本線経由(室蘭ではなく小樽経由、通称『山線』)になったことがありましたが、本の発売が遅れた程度の記憶しかありません。

というわけで(本来良いことなのですが)災害に慣れていない地域です。

新千歳についてから実家につくまでに見た光景(地震発生から4日後)

新千歳空港~JRの中

いつも帰省に使っている同じ時間の飛行機でしたが、恐ろしく空いていました。
座席が3列・4列・3列の大きい機体で窓側に座ったのですが、私の隣は全て空席で、隣の人は反対側の窓側に座っている人、というくらいガラガラ。

新千歳空港では、ターミナル内の照明が暗かったのが第一印象です。

飛行機を降りたところから到着出口に通じる下りエスカレーターは止まっていました。
(これは14日に東京に戻るときも同様。)
スーツケースを引っ張っている人たちは階段を使わねばならず、少々しんどそうでした。遠回りすればエレベーターがあったようでしたが、ぱっと見では場所が分からず。

到着ロビーのお店はローソンのみ営業、吉野家やモスバーガーは休業中でした。
空港から実家まで1時間半JRに乗らねばならないので、お茶でも買おうかと入ってみると、ペットボトルの棚はおおむね商品がありました。
パンの棚もびっしりと商品が入っていたのですが、よく見ると種類が5つぐらいしかありません。
ローソンのオリジナルパンはほぼなく、棚のポップの表示と関係なく日糧製パン(北海道のパンメーカー)の商品で埋め尽くされていました。日糧の生産体制復旧の早さに驚き。

2018年9月10日新千歳空港ローソンのパン売り場棚

その棚の一部を撮影した写真です。アップルパイとバームクーヘンに埋め尽くされている。バームクーヘンが多いのは、常温で日持ちするため在庫が豊富にあったからでしょうか??

JRの様子はというと
1本おきに蛍光灯が外されて、薄暗い車内でした。
耳に入る周りの人の会話のほとんどは、停電の間どう過ごしていたかという話題ばかり。
観光客らしき人は数名、という感じ。ほぼ地元の人しかいない印象でした。

乗った列車は遅延することなく地元の駅に到着しました。

地元のスーパー、予想よりは品物があった

駅の目の前のドンキホーテ(長崎屋)の地下食料品売り場にダメもとで寄ってみると、空っぽの棚がある一方である程度埋まった棚も多く、予想していたよりは品物がありました。
いつものように選べるほど種類はなかったものの、卵、豆腐、ヨーグルト、牛乳、納豆など、実家で日常食べているもの(で、停電により廃棄してしまったもの)を一通り買いそろえることができました。

とはいえ時間は開店直後、店員さんはしきりに「出ている分だけで売り切れたら終わりです」とアナウンスしていました。見たことがないくらいごった返していたので、午後に行ったら買えなかったかもしれません。棚の手前半分ぐらいにしか商品がなかったので。

ちなみに、同じ日に札幌の某スーパーでシャリだけの握り寿司セットが売られていたとTwitterで見かけましたが、ここではちゃんとネタの乗ったいつもの握り寿司セット(780円で8カン入り)を買ってお昼ごはんにすることができました。

そして、ネットではセーコマ(セイコーマート、いまはセコマですかね)が品物をそろえて頑張って営業していると書かれていましたが、近所のセーコマには案外品物がありませんでした。他にお店がない地域に優先して品物を供給していたのかも?

実家で過ごしてみて

冷凍庫は保冷剤がたくさん入っていた&通電するまで開けなかったので、案外食材は大丈夫だった

停電前後に冷凍してあった肉類など、よく加熱して消費しました。

夜に地震で目が覚める

実家に4泊しましたが、そのうち3夜は地震で目が覚めました。
といっても震源からは遠いので発表される震度は1~2ぐらい、実際の時間も2~3秒ぐらいなのですが、家全体がグラッと音を立てて揺れるのです。その音でびっくりして目が覚めました。
うちがボロいせいではないと思うのですが。一応築20年以内ですし。。

余震で寝不足、これは予想しておらず盲点でした。

帰りに新千歳空港で搭乗待ちの時にも少し揺れましたし、弱いながらもまだ余震は続きそうです。

ヤマトとゆうパックは通常日数で届きました

胆振ではまだ引き受け停止中のところがあるようですが、道央圏については10日ごろから遅れることなく発送・受け取りができています。

というわけで、見ると聞くとは大違い

今日でほぼ10日経って、震源に近い地域以外ではほぼ普通の生活に戻っております。
北海道と一括りに言われがちですが、北海道はほんとうに広いです。

「今回の地震で札幌観光キャンセルしよう!」
=「名古屋で地震が起きたから琵琶湖に行くのはキャンセルしよう!」
「今回の地震で函館観光キャンセルしよう!」
=「名古屋で地震が起きたから和歌山に行くのはキャンセルしよう!」
ぐらいの距離感です。

北海道とひとくくりにせず、本州の距離感覚に置き換えて一度冷静にご判断いただきたいと思います。とはいえ、今回全道ブラックアウトしましたけどね…。

今のところ計画停電もありません(9月15日正午現在)。

参考地図 北海道と本州の地図を重ねたもの。名古屋あたりが今回の震源相当です。
(リンクがご迷惑でしたらご連絡ください)

おわり。

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