在宅フリーランスはいつどのぐらい仕事をする? ワークライフバランス

以前の記事にもちらりと書きましたが、今年初めから私が登録している翻訳情報サイトアメリア
毎月会報誌を送ってくれます。
(注:2018年いっぱいで退会しました)

先日届いた最新号の特集が『翻訳者のワークライフバランス 仕事とプライベートの線引き、どうしてますか』
でした。(←打ってみて気付きましたが、い抜き言葉ですね…)
5名の翻訳者の方が、仕事とプライベートのバランスについて寄稿している記事です。

実は、先月を振り返ってちょっとワークライフバランスが悪かったなと思っていたので、私にとっては何ともタイムリーな記事!

この記事を読みつつ、自分のことも振り返りつつ、フリーランスは毎日をどう過ごすのがよいものなのか、考えてみたいと思います。
もちろん絶対的な正解はありませんが、もしお悩みの方がいれば考えるヒントがあるかもしれません。

 

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フリーランス生活では「仕事とプライベートの線引き」が曖昧になりがちである

線引きが曖昧であるのは悪いことか?

「曖昧になりがちである」というと悪いことのように聞こえるかもしれませんが、一概にそうではないと思います。

アメリア会報誌にも仕事とプライベートの時間を分けないほうがいい、という方がいらっしゃいますし、
休憩しようとした矢先にクライアントさんから返信の必要なメールが来たり
逆に元気でやる気満々の日に限って、手元に仕事がなかったり
ということもあって、曖昧にならざるを得ない面もあります。

在宅の良さは『仕事とプライベートの線引きを曖昧にもできる』ことである

在宅である良さはこの『曖昧にもできる』という点にあるわけで、
ベッドから起き上がって5秒で仕事に取りかかることもできれば、
洗濯機を回して終わるまでの合間に仕事を進めることもできるわけです。

結局のところは、これを
「きちんと着替えて時間も決めて取り掛からないと、メリハリがなくて嫌だ」と思うか、
「こんな便利な生活が許されるのは在宅フリーランスならでは」と思うか
という価値観の違いに帰着する気がします。

でも、曖昧と漫然は違う

曖昧と漫然は違います。

会報誌に載っていた方の場合も、線引きが曖昧だからといってただ漫然と時間を使うのではなく
今その時にすべきことを考えて都度選んでいるというようなことが書かれています。
仕事中に寝てしまいそうになったら気分転換にカフェに出かけたり、仕事が入れば趣味の予定を変えたりと、柔軟に過ごしているそうです。

筆者の場合

私も割と「今その時にすべきことを考えて都度選ぶ」タイプに近いです。

その日の体調や天気、音源の内容(暗い話や感じの悪い人にすぐ感化されてぐったりする…)により

直近数時間、数分でこれをしよう!(ここまで起こそう、調べ物をしようなど)と決める

それを遂行する

適切に休憩(時にはがっつり眠る)

次の直近数時間、数分の目標を立てる

という感じでやっています。

その前に1日のざっくりした進行目標、納品日までのスケジュールを大まかに決めてからやるのですが、
これが結構ストレスなく進められて、集中できてはかどります。
合間に気分転換を兼ねて家事もさくさく進められて、夜の充実感は一石二鳥。

仕事を始める前よりもだらだらする時間が減り、おまけに収入も少ないながらにできて、フリーランスを始めてから本当に満ち足りた生活になったなあと思っています。

※とはいえ…この記事を書いた直前、2018年10月はこれまでの最高受注記録を大幅に塗り替えたため、基本的にこの方針で過ごしていたものの、自分の体力と頭のキャパの限界を感じました。まだまだ経験が足りぬ…。

仕事に長い時間を割く=たくさんの仕事ができる、ではない

いい意味での『諦めが肝心』 余計な根性は結果的にマイナス

これは会報誌に寄稿した複数の方々が言っていることです。
私も同意します。

決めた分量が終わるまで根性で進めると、結局翌日に疲れを持ち越したり、ろくでもない出来になっていたりするので、切り上げて翌日に回すほうが結果的にいい商品を提供できるということ。

集中力が切れて飽きてきたらすぐやめるというのとは違います。
その対処として、集中力を持ち直す手段(趣味・ルーティンなど)を見つけるべきです。

とはいえ、諦めるかどうかの見極めが難しい

その「気分転換したらまだいけそう」か
「このまま続けたら結局良くないほうへいきそう」か
というさじ加減は、自分の中の感覚でしか分からないことですよね。
これを把握するのが難しいかもしれません。

※↑この感覚をもし定量的に表せる尺度があれば教えてもらいたいです。
音源1分や文字数当たりの作業時間記録でもつければ、いくらかの法則が見いだせるかとは思っていますが。

とにかく、目的を見失わないことが肝要

目的は良い品質の商品を納品すること
であり、
今日の目標を無理やりに達成して充実感を得ることではない。

(手段と目的を取り違えないってやつですね)

早く始めて早く終わる 作業時間を増やすときも前倒しで

夜型の人もいるので、これも一概に言えませんが…

アメリア会報誌に朝型の方が複数載っていらっしゃいました。
私も割と朝に強く、夜はしっかり眠くなるタイプなので、フリーランスは朝型が多いのかなあ?と漠然と思った次第です(n=3でサンプル数が少なすぎというのはご容赦ください笑)。

ちなみに私の場合

夜は必ず0時までには切り上げるようにして、次の日の朝起きる時間を前倒しにするようにしています。
(というか、仕事が差し迫っているときには気になって起きてしまうのですが…。)

起きてすぐから数時間稼動した後、主人と朝ご飯を食べながら事務連絡や雑談をする8~9時の1時間はなるべく死守。

見送ってから昼過ぎまで集中して仕上げ(午前中は粗起こし作業をするようにしています)

14時ごろに体力の限界がやってくるので晩ご飯の支度までがっつりと眠り

片付け後から再び(20時頃~)0時まで稼動

というパターンが多いです。
通勤時間を割かなくてよいので、このパターンの日は実際10時間以上稼動しているみたいです。
…みたいですというのは、実は今書き出すのに思い返してみて、そういうパターンが多いと気付きました。

机上の理論の通りに動けるとは限らない

やってみないと結局、理想に合わせて動くというよりは(そうできる方もいらっしゃるでしょうが)
実際にやっていく中でちょうど良いペースをつかむものなんだなという実感です。

ちなみにアメリア会報誌では、朝4時~14時パターンと、朝7時~16時パターンの方がいました。
ただ、皆さん最初の頃は仕事一色の生活をしていて、だんだんと趣味に時間を割くように工夫していったという印象です。
私も実感としてありますが、特に初めてすぐの頃は慣れていないことが多いため、仕事一色になりがちかもしれません。

仕事以外の時間を充実させる

先ほどの「趣味に時間を割くように工夫していった」につながりまして、この話題です。

アメリア会報誌によると、皆さんが趣味をお持ちで、楽しんでいらっしゃいます。
ランニング&楽器の方、バレエの方、ボランティアとコーラスの方、楽器の方。そして家族や地域社会と過ごす時間が気分転換という方。

仕事以外の時間が充実していないと、現実逃避のように仕事に時間を割いてしまうのかもしれません。
そして結局効率と品質が落ちる。

私の場合はファッションが大好きなので、Instagramを眺めたりネットショップを眺めたり、散歩がてら古着屋をはしごして歩き疲れる、みたいなのが楽しみです。
あとは知らない街を歩くこと。といってもわざわざ旅行へ行くのではなく、下りたことのない駅の周りをぐるぐる歩いてみたり、という手軽なものですが。道ばたの古い看板を見つけると、写真に撮りひとりで興奮します笑。
これに関連した趣味として国会図書館に行き、昔の住宅地図や電話帳を眺めていると時間を忘れます。18歳以上しか入れないので、落ち着いた大人の空間で大好きです。

もっと趣味のほうでも達成感があったほうがいいのかな…と、アメリア会報誌を読んだ今は思いますが、当面は楽しいのでよしとします。

クライアントさんの問い合わせにいつ対応するか

これは結構、仕事とプライベートの線引きの曖昧加減を左右する要素ではないでしょうか。

ランサーズのプロフィールを見ていると、「1時間以内にご返信します」はもとより、「10分以内にお返事します!」という強者もいらっしゃるようです。

私もランサーズを始めたころは「2時間以内にご返信します」と書いていたのですが…

・自分の気が休まらない
・あまりに即座に返信しすぎると、かえって相手に気を遣わせるor萎縮させてしまうことがあった

ため、「○時間以内」という記載をやめました。それでも結果的に12時間以内には返信しています。
私の場合半日に1度はメールチェックする(してしまう)ので、これならばストレスフリーです。
(ランサーズ上のメッセージに連絡が来るとメール通知される設定にしています)

特に相手が企業の方の場合は、他の業務の合間に対応していただいていることを意識して「○○までにご返信いただければ納期に差し支えません」と一言添えるようにしています。

参考までに、12時間以内に返信する方針で今のところ苦情が来たことはありません。
お互いにストレスなく進められる間合いをはかりたいものです。
メッセージの文面だけでは難しいこともありますが。

文字起こしの仕事で作業場所をシフトすることは可能かどうか

PCをいつも持ち歩いて、外出の帰りにカフェで仕事をするパターンの方と
PCを使わないでできる仕事を家族旅行先の隙間時間にこなす方

が、アメリア会報誌には載っています。ある種のノマドワーカーです。ただしこれは翻訳業の場合。

果たして、文字起こしにもこれは通用する手法なのか?

文字起こしでノマドワーク、筆者にはできません

あくまで個人的意見ですが、私の場合は無理です。

・東プレキーボードの軽さに慣れすぎてしまい、ノートPCのキーボードで長時間入力できなくなった
しかもこのキーボードは本体重量が重すぎて、およそ持ち歩きには適していません。
・ローラーマウスの便利さに慣れすぎてしまい、…(以下上記と同様)
フットスイッチがないと、少なくとも粗起こし作業はできない
・PCを使わないでできる仕事(工程)がない
せいぜい読み直すぐらいかと思いますが、読んでいて聞き直したい部分が出てきたときに困ります
・環境が変わると、とたんに作業効率とクオリティが落ちる性分である

などという事情があるためです。
あとはカフェなどの場合、守秘義務の観点で甘さがあるという気がしなくもありません。
(特に筆者の場合、治験関連の超極秘会議が多いですし…。)

でも、ノマドワークが合う人もいらっしゃると思います

ノマドワーカーというものに一瞬憧れを抱いたこともありましたが、4つめの「環境が変わると駄目」という自分の致命的な性質を知ってからは、自分のノマド生活は妄想の中にとどめています。

でもおそらく
違う環境のほうが気分が変わって良い!とか
フットスイッチなしで作業されている方とか
タッチが軽いキーボードの弊害がない方には
仕事の楽しさを増すためのひとつの手法となるのは確実そうです。

まとめ

・良い品質の商品を納品するという目的を忘れない
・自分を客観視して、仕事とプライベートの加減(量、切り替えの有無)を見つけていく
・仕事以外の時間を充実させる

より楽しい作業環境・タイムテーブルを作り出せることをお祈りしております。
おわり。

 

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